マンションに義務付けられた法定点検一覧
2025.11.17 コラム

― 安全・安心な暮らしを守るために知っておきたい基礎知識 ―
マンションの維持管理には、多くの「法定点検」が定められています。これらは居住者の安全を守り、建物の資産価値を維持するために欠かせないものです。ここでは、主な法定点検の概要・実施周期・必要な資格を一覧で紹介します。
1. 建築設備定期検査
概要:換気設備、排煙設備、非常用照明など、建物の安全性に関わる設備の検査。
根拠法令:建築基準法第12条
周期:1年に1回
資格:建築設備検査資格者(国土交通大臣登録)
2. 防火設備定期検査
概要:防火シャッターや防火ドアなどが適切に作動するかを確認。
根拠法令:建築基準法第12条
周期:1年に1回
資格:防火設備検査員
3. エレベーター定期検査
概要:昇降機の安全装置や運転性能を点検し、事故防止を図る。
根拠法令:建築基準法第12条・昇降機等検査規則
周期:1年に1回(定期自主点検は月1回が目安)
資格:昇降機検査資格者
4. 消防設備点検
概要:消火器、火災報知器、スプリンクラーなど、火災時に作動する設備を点検。
根拠法令:消防法第17条の3
周期:
機器点検:6か月に1回
総合点検:1年に1回
資格:消防設備士または消防設備点検資格者
5. 受水槽・高架水槽の清掃・点検
概要:飲料水の衛生管理を目的に、槽内の清掃・水質検査を行う。
根拠法令:水道法
周期:清掃は1年に1回、水質検査は年2回程度
資格:貯水槽清掃業の登録業者、水道法に基づく水質検査機関
6. 給水・排水設備の定期点検
概要:給排水管の漏水や詰まり、ポンプの作動確認など。
根拠法令:建築基準法・水道法(自治体条例による場合も)
周期:年1回程度(推奨)
資格:設備管理技術者、建築設備士など
7. 外壁の定期調査
概要:タイルやモルタルの剥落による事故防止のための調査。
根拠法令:建築基準法第12条
周期:10年ごとに1回
資格:一級または二級建築士、建築物調査・診断資格者
8. 受変電設備の点検(電気設備)
概要:電気を安全に供給するための高圧設備や配電盤などの点検。
根拠法令:電気事業法
周期:年1回以上(自主点検は月1回程度が望ましい)
資格:電気主任技術者
まとめ
法定点検は、「安全」「衛生」「防災」「設備維持」という4つの観点から義務付けられています。
これらを怠ると、行政指導や罰則の対象になるだけでなく、事故やトラブルのリスクも高まります。
管理組合やオーナーは、点検スケジュールをしっかり把握し、専門資格を持つ業者に委託して確実に実施することが大切です。
【ワンポイント】
点検結果は必ず「報告書」を保管し、行政への提出や更新時に活用しましょう。
長期修繕計画に組み込むことで、無駄のない維持管理が可能になります。
建物管理もアスリートアルファにおまかせください!
ぜひお気軽にお問合せ・ご相談くださいませ。
